インサイダー取引を犬サイダー取引だと高2まで思ってました。ビダです、こんにちは。
まぁ、でも犬サイダーってのも懐かしいね。僕らの世代の人はだいたい知ってると思うんですが、犬サイダーってのは、その名の通り、犬の形をしたサイダーであり、サイダーの体を持った犬のことです。10年ぐらい前に「飼える清涼飲料水」としてブームになったりしましたよね。クラスメイトは、みんな飼ってたし、僕ももちろん飼ってました。
あれは僕が小学校5年の時ですかね、家族でキャンプに行ったんですよ。俺と親父と母親と兄弟。あとやっぱペットも家族ってことでサイ(僕が犬サイダーにつけた名前)も一緒に連れていったんですね。
だけど、僕とサイで遊んでるうちに山の奥の方に行っちゃって遭難しちゃったんですよ。夜になって、朝になって、昼になっても誰とも出会えないし、助けもこなくて、おなかも空いてくるし、最悪なのは川とか見つからなくて、水が飲めなかったことなんですよ。
で、ついに3日目、限界が訪れた僕は一歩も動けなくなってしまいました。そしたら、サイのやつが僕の前に座って、じっとこっちを見つめているわけです。僕にはサイが「俺を飲めよ」って言ってるのが、はっきり分かりました。だけど、サイダーとはいえ、飲めるわけないじゃないですか。だって友達ですよ。友達なんですよ。飲めるわけない、飲めるわけないよ・・・。
しかし、翌日、捜索隊に救助された僕の横にはサイはいませんでした。僕は自分が助かりたいがために、彼を飲んだんです。病院で検査を終えたあと、なんとか自分の部屋に帰りついて、ようやく独りになった僕は泣き叫びました。
「サイ、どうしていなくなったんだー!」ってね。






ちなみにこのエピソードを元に、ほったゆみという人が「ヒカルの碁」という話を作ったらしいのですが、それはまた別の話です。