松本人志「ビジュアルバム」

やっぱ面白いなぁ。松本さんは「コントは、かわいそおもろ、が多い」という話していて、実際、まぁ、面白いことは悲惨滑稽ということが多い。高度なパターンになるとそうなる。意思と実際のずれ、というものを浮き彫りにするからだ。実は小説に関しても、タッチで笑いにもっていくか、美にもっていくかであって、悲惨滑稽が面白い。そういうナンセンス、狂気に近い笑いを高いレベルでやれるのがすごい。坂口安吾とかも「必然性のある笑いを書きたい」と書いてた気がする。必然性、というよりはお笑い理論がちゃんとある笑い、ってことだと思うけど、笑いの先に人間の秘密があるというより、笑いの手前にこそ人間の秘密があると思う。善悪、生死に関するある種のモラルを超越して、面白い、と言える人はやはりすごい。森鴎外太宰治坂口安吾町田康なんかもある意味ではそうだ。
大抵の人はピークの美しいところとかを切り出したりしてしまうわけで、ピーク後の悲惨滑稽を描かずに終えてしまう。笑いにしたって、今は「綺麗な笑い」を求めすぎてやいませんか?とは思う。世の人が、ナンセンス、悲惨滑稽と思うことを演じたり、書いたりすることを職業的にやるというすごさ。
ゲーテ曰く「何を滑稽に思うかによって、一番その人の思想がわかる」

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元セックスピストルズジョン・ライドンが前に話題になったやつ(http://www.geocities.jp/mikako0607jp/7th.html)の続報みたいなの(http://www.geocities.jp/mikako0607jp/john3.html)が徐々に足されつつあるなぁ