断言してもいいが、本当の意味での奉仕なんかしたら一週間も持ちこたえることができず、人間は死ぬ。

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ここ二ヶ月ぐらい、嫌なことがありすぎた。悩んだ挙句、頭がパーになった。ひどく憂鬱だ。何もする気が起きないし、こういう時は何をやっても駄目だ。本当にここまでひどくなったのは人生で三度目だ。本復まではえらく時間がかかる上に、生きる意志を維持するために快楽的なことを色々したり金遣いが荒くなったりして、それもまた悲惨だ。絶体絶命ではない。が・・・。

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昨日は母親の親友の通夜だった。自分も世話になった人だ。

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うちの祖母は本当の意味での教養と知性のある人だとは思うが、なにぶん、おせっかいすぎる。おせっかいすぎて、盲目的になって大変だ。先週に田舎に行ったときだ。祖母の家の近所に「知的障害を抱えた上に、体が腐る病気」の子供がいる人がいて、祖母はその人の相談に乗っていたりしたそうだ。まぁ、ここまでは良いよ。向こうの人だって愚痴のひとつもこぼしたいわけだし、近所の助け合い、良いよ。
だけれどね、そこに俺を連れて行くっていうのはどうよ。向こうの子供は俺と同年代じゃないか。俺だって「そんなことしたら、向こうだって俺のことが羨ましくなるに決まってるじゃないですか」と言ったのに。
田舎は、田舎で最寄のバス停、コンビニまで歩けば、1時間かかるような場所であり、運転免許も持っていない俺は、祖母の車に乗せてもらえなかったら何もできない。だから乗せてもらうわけだけど、結局、行っちゃったのね。その障害の人の家に。で、やっぱり言われましたよ。
「羨ましい」
へへへ、本当に嫌な予感だけが的中しやがる。もうそれならね、予測なんかできないほど頭が悪くて、何も感じないほど鈍い方がいいんじゃないのかな。相手が大変だっていうのは解る。解るが、こっちだって楽しい人生送っているわけでもない。むしろ避けたかったのに、この場面に遭遇してしまった。祖母だって善かれと思ってやっているんだ。善かれと思って・・・。
まるで何もないような健康な人。明るく努めている人の心の奥の苦しみ。一見、不幸も問題も見当たらない。その維持のすさまじい努力と苦しみ。裏では血反吐を吐いている。みんな、どこかで血反吐を吐いている。
病も悲惨、健康も悲惨。何やったって悲惨。

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生活。生活の苦しみ。若くから世に出て売れたような人は、かえってそれを知らない。皆、苦しんでいる。だから夢が欲しくて藁にもすがる。藁にもすがる人たちに水泡みたいな夢や偽者の癒しを与えて金をむしる奴、嫌いだ。一時しのぎで金をむしっておいて、自分達では立派だと思っていやがる。嘘の癒しなんか、かえって後に禍根を残す。真実。色あせぬ物を。色あせぬ物を。

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あとさー、自殺した人とか、たまたま死んだ人とかの死をいいように解釈して神格化するのもどうかと思う。

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太宰治「かくめい」
(誤字あり。おっしゃっているうちに→おっしゃっているうちは)
太宰治「おさん」

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