この日記を読んだ先輩達が隣の部屋で「どうしたらいいか分からない」という話をしているのを聞いた。はぁ、その程度でお手上げですか?そんなレベルで困っているから俺が怒っているのですよ。もう少し解るように書きましょうか?
この一ヵ月半、僕を励ました4年生は一人だけですよ。僕に対して批判や追求、悪口を言った人間ばかりで誰一人、俺を励ました人がいますか?励ますという選択肢すら考え付かずにお手上げですか。
どうして「きさまに言うこと何もない。聞きたいことも何もない。俺は口もと笑いうかべて、きさまを信じるさ」と言えないのですか。「お前らは立派な後輩なのだから大丈夫だ。必ずやれる」と言えないのですか。
そりゃあ、確かに僕らは完璧じゃないですよ。しくじりますよ。だけれどね、あなた方の去年の実績完璧ですか?
あなた方の実績並べましょうか。
「6月末までに13回のライブという過酷なスケジュール。すぐ「出演者が足りない。やる気ないのか」とキレる。ライブに出れば、客数は1ケタの時もある。受けるのも3年生だけだし。そのせいで俺以外の同期はやる気をなくす。ちなみに新入生は男が2人、女たくさん。ただし、男のうち1人は兄弟のコネで入ったから、1人だけしか入れられなかったようなものである。で、新入生には盛りや運営について文句は言われつつ前期終了。ついに合宿でキレられる。そもそも夏の合宿に俺の同期は行きたいとすら思っていなかった。俺の同期を支えたのはほとんど去年の4年生である。さすが後期はそれなりにうまくいったけど、退部者もかなり出た上、退部者の後処理は、俺達の期に押し付けられる。で、今、いる人間はほとんど才能が開花していない」
はい、超中途半端ですね。人、育ててないですね。ド低能ですね。だけど、去年の4年生はあんたらに「全部お前が悪い」「反省しろ」「お前が無能だから」「才能ない」「お前、自分のこと正しいと思って生きてるんじゃねぇよ」と言いましたか?そんな言われてないしょ?多少言われたにしたって、俺より背負ってないはずだから痛みも山分けでしょ?
要するにね、去年の4年生は、あんたらに優しかったよ。見守っていたよ。あんたらについていけず、やる気をなくした俺達の学年を支えてたよ。「あいつらはすごいから信じろ」と言ってくれたよ。
で、あんた方は何なの。どう考えたって去年のあなた方の誰よりも背負ってる俺に対して悪口ばかり。俺を励ましてるのは一人だけだ。どうして去年、4年生からしてもらってたことをできないの?
あなたらのやっていることは「自分がアドバイスすることによってクラブを動かす」ということです。結局「自分が」しか考えてないじゃあないか。後輩も、俺も、誰も人間を信じてないじゃあないか。励ますという選択肢すら考え付いてないじゃないか。それで「もうどうすりゃいいんだ」?信じろ、俺を。後輩を。
「自分が」というエゴを捨てろ。見守れ。2年生を「一年間やってこれただろ?大丈夫だ」と支えてやれ。去年の自分達の中途半端さを忘れるな。それでも実がなっただろう。中途半端を受け入れろ。
あなた方は「俺達は弱者だ」と言っているが、このクラブじゃ、ここ数年、あなた方より強者はいなかったよ。ライブではエース、やる気のある奴、タレントがそろっていた。だから本当に弱い者の辛さが分かっていない。今、このクラブで一番弱っているのは誰だ?俺だ!同期だ!2年生だ!慈悲を持て!励ませ!
そういう「自分が」というエゴが捨てきれず、去年の自分の失敗や、先輩からの恩を忘れ、人にアドバイスだか悪口だか分からないような口出しばっかしてる、そういう自分たちが分かってない。マジ空気読めてない。はっきり言って愚か。何度も書くけど、「無自覚の愚かさが一番の悪」なんす。あんたらの愚かさが全部俺に集中して、俺が苦しんで「もうやめてくれ」と怒っていることにすら気付いてないのです。だから「もうどうすりゃいいんだ」とか言ってられるんです。あんたら、クラブの中では一番実績のある権威じゃないか。強者じゃないか。あんたらに攻撃されたらね、きついんです。核爆弾です。反論しても「なんであんな立派な先輩達に怒ってるんだ?きっと心の狭い、かわいそうな人なんだな」と後輩から思われてしまうんです。
俺だって欠陥だらけで、甘えもあります。失敗もしました。だけれど、去年のあなた方の誰よりも努力しているし、比較的、甘えも少ないつもりです。弱い自分に耐えて生きて闘っています。悪いけど、トータルでは、あなた方の誰よりも勝っているし、大人のバランス感覚もある。
人は皆、弱い。誰しも中途半端だ。だけれど、弱さは罪か?中途半端だと何も実がならないのか?違うだろう。弱くても、中途半端でも実はなる。弱さを慈しめ。中途半端を愛せ。弱くて中途半端な俺を、自分を、後輩を、人間を、愛せ。慈悲を持て。
はっきり言って、今、俺がおかれている状況はキリストや太宰治が死んだ状況に似ています。人間失格です。あなた方の無自覚のエゴのせいで、僕は徐々に生きる喜びを奪われています。立場が悪くなり、未来が閉ざされていきます。
大袈裟に聞こえるでしょうが、過去起きたことは現在も起こるし、マクロで起きたことはミクロでも起こる。違うところは、僕の相手は同じ釜の飯を食った先輩だってことです。あなた方が何とかしてくれれば僕は助かる。負け将棋に起死回生の一手が指せるのは、クラブの中で人望があって実績も権威もあるあなた方だけだ。それが4年生だ。本当の意味で人を育て、支えるのは4年生しかできないことなんだ。去年、俺はそう思った。
他の奴はともかく、俺に関しては「きさまに言うこと何もない。聞きたいことも何もない。俺は口もと笑いうかべて、きさまを信じるさ」の一手に限る。
俺を信じろ。

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太宰治いわく「太宰治は簡単である。ほめればいい。「太宰治は、そのままで『自然』だ。」とほめてやれ。」