先輩たちが卒業した。ひどく不安である。未だ、同期や後輩は、我が部の奥義を知らない。外は大雪が降っていた。
愛、誠、美、笑い、勝利。およそ生きていくのに大切な全てがこの部にはあるし、先輩たちは賢明にも僕ら後輩にそれらを伝える努力を惜しまなかった。本当に良い先輩を持った。手前味噌なんかじゃあない。俺がカラオケで歌った超人機メタルダーの「君の青春は輝いているか?」を正座して聞いてくれたんだ。そんな人は世界中のどこへ行っても確実にいない。
が、残された下級生たちは、一年ないし二年、何もかもを与えられ続けたことにすら、あまり気付いていないようである。なんとなくは分かっているだろうが、まだまだ何が一番大切なことか、まるで理解できていない。なんであれだけ素晴らしいギフトに気付かずにいられるのであろうか。何故、宇宙の法則は、人に愚かさを付した?非常に不愉快である。
賢くなれ、自覚しろ。全ては、ちょっとしたコツで理解できることなんだ。
何度も言うが、この部には、およそ生きていくに大切な全てがある。その上、青春は、悩みも苦しみもゴールドエクスペリエンスにするほど優しい。それを知ってくれ。
全ては、己が「誰と」「どこにいて」「何をして」「何のために」「何をしたいか」を、ちょっと考えることで解決できる。あと、ほんのすこしの勇気と誠実ささえあれば。
とにかく、俺がいくら世界最大級の愛と才能を持ち合わせていたとしても、まだ若く未熟なのだし、君らの不理解に耐えながら、たった独りで戦えるものだろうか?答えはNOである。君らの力が必要だ。
頼む。賢くなってくれ。自覚してくれ。何も一から全てを作れ、と言っているわけではない。もう全部ある。完成している。ただ目の前にある物に気付くだけでよい。
諸葛孔明の立場さ、俺は。だが、果たして2004年、再び蜀は滅びるだろうか?いや、滅ばない。俺がそうさせない。
今日のBGMは奥田民生、「花になる」でございます。スピーカーから聞こえる歌詞は「最強の花に、究極の太陽に」でございます。
何は無くともロックンロールが必要だ。民生さん、勇気をいただきました。よし、今日も俺は世界最強の愛の権化だ!

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嗚呼、俺の事なんかまるで眼中に無いんだなと気付いてしまった。そう気付いてしまった。