大きくうねり、静かでいて激しく、強大。初恋よりも真剣な恋を確実にしている。
骨抜きとは、うまいこと言ったもので、実際に骨が一本残らずに抜けたみたいにふにゃふにゃで、気を抜くと体が分解してしまいそうだ。「鉄の忍耐、石の辛抱」と言ったあのゲーテですら、恋に関しては、ふにゃふにゃだったろうし、ウェルテルのように恋の強大な力を感じていたのだろう。
しかし、俺は、ふにゃふにゃばかりもしてられない。部活をしっかりやらないと。この落語研究会には10年来、普遍的でいて強力な救済の力がある。落ちこぼれが集い、楽しく過ごし、才能を発揮していける。この10年来の伝統を支えてきた目には見えない奥義によって、一番得をして、それを一番理解しているのは俺なのだから、俺がしっかりそれを他の奴や後輩に伝承しなければ、この部は魅力を失ってしまうだろう。全ては俺の双肩にかかっている。
もう俺がやるしかないんだ。任せてくれ。くるりも歌っている「昨日の今日からは一味二味違うんだぜ」「さっきまで気にしてたhow to play the guitar 灰になる」
そうさ。俺は昨日とは違うのさ。迷いなんか灰になるのさ。