部活の会議で、ライブテーマを決めようという話になったのですが、話しているうちに妙に他の人たちと話が噛み合わないと思ったら、ひとつの事実に気が付きました。
僕は、ネタや構成のテーマだと思っていたのですが、そうではなくて、みんなは「このままだとモチベーションがライブまで続かないから、モチベーションを持続させるためのテーマを考えよう」と言っていたのでした。
必ずしも全員がお笑い好きじゃないのは分かっていましたが、そんなテーマが必要なほどモチベーションが低いとは思っていなかったので、それは話が噛み合わないはずです。
「そこに山があるから登る」という登山家がいましたが、僕などはそれと同じで「やりたいからやっている」だけの人間なので、「なぜライブをやるのか?」というような意義を問われると困ってしまいます。
上の先輩には「やりたいからやる」という芸人気質の人がずいぶん多かったのですが、同年代とか後輩には、本当にあまりいないのです。本当にごく普通の若者が多い。「孤独になる」であるとか「仲間運に恵まれない」という僕の宿命がまた邪魔をしやがるのか。
やはりネタなどは、本当に好きでやっている人や、おもしろいことを追求する人の方が、いいネタをやるに決まっているので、もう少しみんながお笑いを好きでやってくれたらなあ、とは思っています。とはいえ、芸人として成長すればするほど、社会人として失格に近づく傾向があるので、無責任に「お前ら、とにかくおもしろくなれ」とも言えないし、そもそも言っておもしろくなるものでもないですし。
学内で冷や飯を食ってきたヒエラルキー底辺の人間が集まったからこそ、冗談ではなく才能を世に出してきたこの部が、このままでは、そこらへんにあるただの部活になってしまいます。それは残念なことです。組織でなく人間の力で動く部活、せめて才能のある人間を腐らせないだけの環境は残しておきたい。そして、僕はもっとラジカルでありたい。