「うわー、財布落としたー。はー、もう最悪だよー。漫才なんかやれる気分じゃねぇよー」
「そんなこと言ったって、やらなきゃしょうがないでしょ」
「じゃあ、なんか俺の気分を、漫才やれる気分に変えてよ」
「えー、どうやって?」
「なんかスカッさせてよ」
「どうやったらスカッとするの?」
「あ、じゃあ、なんか面白いことやって、俺を笑わせてくれよ」
「おまえよー、それすっげー矛盾してなくね?」
「なにが」
「俺一人で面白いことやって笑わせられるぐらいなら、おまえと漫才やる必要ねぇじゃん」
「あー、そっか」

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