城掃きのジュナ

 「入れば二度とは帰れない」忌み名を持つはタクラマカン
 タクラマカン砂漠は、中央アジアに位置し、北に天山、南に崑崙の両山脈を持つ巨大な砂漠である。ウイグル族の言葉でタキリは『死』マカンは『無限』を意味し、その名は「死の広がる世界」「入れば二度とは帰れない」と訳される。しかし、厳しい気候ながらもシルクロードの要衝として周辺には、人口は少ないながらも多種の民族が居住し、そして国を作っては、また滅び、歴史を綴ってきた。
 この物語は、そんなタクラマカン砂漠の北端の小さなオアシスに添った城邑の話である。